ジバンシィ(Givenchy)の2017年プレフォールコレクションは、デンマーク・コペンハーゲンが舞台。近未来的な建築が並ぶ、芸術性に富んだ街の様子をシルエットやカラーリング、パターンなどに反映して、スカンジナビアの豊かさを表現する。
ベースとなるのは、ジバンシィらしいクチュールの要素。メンズは、ダブルダーツでシルエットにアレンジを加えたスーツを、ウィメンズは、マスキュリンなパンツスーツとイブニングドレスを主役に据えている。スーツの上には、マルチカラーのストライプを、ボウタイシャツにはカラフルなドット柄を、ピーコートにはアンティーク家具のような飾りボタンやスポーティなリブ襟を配して、アーティスティックな印象を全体に植え付ける。
より美的にコレクションを昇華させるのは、意外性をつく配色。シックな世界に姿を現す、パキっとしたイエローや情熱的なレッド、ソフトなピンク。過去のコレクションに登場したマンダラ模様は、ピンクやライトブルーで生まれ変わり、クリエイティブな要素として再び力を発揮している。
シルエット遊びは、スカンジナビア建築のようにユーモラスな発想から生まれている。ボアコートはスタンドカラーにして高さを出しつつも、前は短く後ろは長くと、裾をアシンメトリーにアレンジ。ボリュームファーコートは、赤やピンク、イエローなど色鮮やかな布を間に挟み、360度広がったスーパー重量感あるフォルムへと変化している。
ジバンシィスタイルの神髄である、クチュールとスポーツの融合。今季は、スポーツスタイルの登場によりわかりやすく伝えられた。メンズは、大きな刺繍のついたフード付きコート、スナップバンド付きジョギングパンツ、ウィメンズは、サッカージャージスタイルのファーブルゾン、パッチ付きのMA-1などが提案され、ストリート色の強いアイテムが伝統的なクチュール要素と肩を並べている。