ヴェルサーチ(VERSACE)が2017-18年秋冬コレクションを、2017年1月14日(土)にイタリア・ミラノで発表した。
今回のコレクションには、あらゆる要素が混在している。その中でもスコットランドの民族から着想を得たというチェック柄は、今シーズンを象徴するひとつ。ランウェイ序盤のクラシカルな装いには、ヴェルサーチらしく咀嚼されたタータンチェックのシックなテーラードなどが提案されている。ボトムスは裾にスリットが入った細身のパンツ、足元はボリュームのあるスニーカーが主流だ。
バッファローチェックは、ストリートラグジュアリーなスタイルに取り込まれた。この見本となったのは、世界のギャングたちだという。中盤に現れた、ウエストで結ぶラム革の真っ赤なコート、ロンドンのアーティストPATRICK WAUGH BOYOによるコラージュを配したウールブルゾンなど、ヴェルサーチが提唱するギャングたちはあまりにも気品に満ちている。
もうひとつのエレメントを挙げるなら、スポーティーなこと。これは終盤にかけて加速する。ナイロン素材のパーカーやパンツによるカジュアルなスタイルも登場している。もちろん、足元はスニーカーだ。しかし、ひとくちにスニーカーと言ってもメゾンのクリエーションが感じられる。多種多様なレザーを使用し、穴飾りを丁寧に施したウィングチップで仕上げた。真ん中にはきちんとロゴまで配している。
象徴的なメデューサはと言うと、ジャケットやトップスで物語を秘めて鎮座している。多様な表情を見せたワードローブの中で、彼女だけは変わらず強い眼差しでメゾンの威厳を示唆し続けている。