エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)の2017-18年秋冬コレクションが2017年1月14日(土)にイタリア・ミラノで発表された。
今シーズンは、1920-30年代のアメリカ・ニューヨークやロサンゼルスの街並み、そしてその時代のスタイルからインスピレーションを受けている。
ファーストルックのコンパクトなダブルブレストジャケットは、ピークドショールに前裾はラウンドカットという優しい曲線美が光るスタイルだ。ボトムスはそのフォルムの滑らかさを引き継ぐようなスリープリーツのトラウザーズ。これらは全ルックを通しての共通項だろう。
クラシカルなスタイルを基軸とし、そこに華を添えるテキスタイルが面白い。フォーマルなスタイルにファーポケットやレザーバッグをベルトで取り付け、機能性をもたせた革新的なボディバッグが提案されている。都会的な男性が身につける新感覚の”着られるバッグ”と言えるだろう。序盤から登場していた、街の建物を想起させるような幾何学柄は、時を経てベースとなる素材を変容させ、ベルベットに乗せたシャープな模様は一際洗練された面持ちとなる。
終盤には、ラグジュアリーなファーアウターが姿を現わすが、それらはブルーやグリーン、ホワイトといったカラーが混ぜられている。ランダムにハイブリッドされたことで、高級感の中に無骨さと男性の力強さを兼ね備えている。
そして終焉を迎えたかと思ったショーは、雰囲気を一変させる。過酷な雪山でも耐えられそうなスキーウェア、ドラム缶型の大きなリュックはスポーツライン「Emporio Armani EA7」によるもの。一方で、官能的なドレスの女性と紳士的なフォーマルスーツで闊歩する彼らは、全く異なるナイトパーティのワンシーンを演じるかのようだ。それは、序盤の表現からは予想だにしなかった両極端な男性の表現ではあるが、根底にはブランドがこれまで提唱してきたオーセンティックなエレガンスが存在している。