アキラナカ(AKIRA NAKA)が2017年春夏コレクションを発表。「肌を見せることに寛容になってきた今の時代。自分たちが持っている感覚で、どのように美しく演出できるかを考えた。」デザイナーの中章は今シーズンについてそう語っている。今回のコレクションでは、「ハイブリッドヌーディー」をテーマに、スリットやキャミドレス、レースなどあらゆる手法を駆使して、モダンな肌の見せ方を提案している。

主役ともいうべきレースは、ワンピースやパンツなどあらゆるところに存在し、3次元のグラフィカルな模様を創出。あくまで日常を意識し、レースの配置は慎重に選ばれている。一方、ハンドニットは今シーズンもまたスペシャルアイテムとして登場。レースと同じく肌とのレイヤードで遊べるアイテムではあるが、かぎ針編み独特の温もりが感じられる。

日常の一場面を思うディテールや機能性も隠されたポイント。例えば、シャツにはテープ状のテキスタイルが袖に添えられていて、たくし上げるとラッフルのような動きが出る。あるいはアシンメトリーなトップスは、大振りなラッフルが垂れすぎないようにオーガンザをレイヤード。精緻な刺繍を施したＴシャツは、一枚でさらりと着られるよう、刺繍の凹凸を隠す当て布が裏に施されている。

モダンな肌の見せ方の中には、技巧的なギミックが織り交ぜられ、簡単に贅沢なファッションを楽しめるよう考えられている。透ける肌の美しさと隠すことの美しさのバランスを維持すること。デザインを足すだけでなく引くこと。これらがカジュアルなオートクチュールを導き出す。優美でありながらもエフォートレスなスタイルには、女性が装うことへの中章の気遣いが表れている。