A DEGREE FAHRENHEIT(エー ディグリー ファーレンハイト)が2012年春夏コレクションを発表した。テーマは、「116.600000℉(47℃)」。ニホンミツバチが侵入した天敵のスズメバチを囲み、内部温度47℃の「蜂球(ほうきゅう)」でスズメバチを死に追いやる様にインスパイアされた。攻撃するニホンミツバチ自身も、あと1℃上昇すれば死んでしまう致死温度ギリギリのボーダーラインで戦う緊張感、そして、蜂球の持つ、芸術的で生命力溢れる美を表現した。
カラーパレットは、ブラックやグレー、カーキベージュなどで全体的にダークな印象。蜂の針をイメージしたダーツが多用され、巣を表現したメッシュ生地から垣間見える素肌の熱が、隠しきれない燃えるような命のエネルギーを伝えていた。自然がもつ造形美を巧みにデザインに落とし込むセンスは圧巻だ。
メッシュ生地で肩にボリューミーなパフスリーブを組み合わせたレオタードのようなボディースーツは、くびれ部分を大胆にカット。ジッパーで胸下まで肌を見せ、会場中に色香を漂わせていた。
ショー後、「イメージする女性像が、前回の可愛らしさから強く自立した、セクシーな大人の女性に変化した。あからさまなポジティブというよりも、落ち着きのあるデザインに惹かれている」とデザイナーの天津憂は語った。