アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)は、2度目となるミラノ・ファッション・ウィークに参加。2017年春夏コレクションを2016年9月23日(金)に発表した。
昨シーズンは、東レとともに開発した素材や3Dプリンターによる球体型のアクセサリー・シューズなどを展開し、‟技術”によって日本を打ち出していた。今季はよりユーモラスな形でジャパニーズカルチャーを提案している。
KinKi Kidsの堂本剛が手掛けたサウンドにあわせ、日本国旗「日の丸」が、2人並んで歩くことで完成するコートになって登場。ティーンの間で流行っている‟双子コーデ”にも通じるところがあり、現代日本を捉えているように感じた。(裏を返せばイタリア国旗になるという、仕掛けも施されている)
また、日本人なら気付いたであろう、プロ野球球団「東京ヤクルトスワローズ」とのコラボレーションロゴTシャツもランウェイを彩っている。ドットやチェック柄のドレスは、ウエストマークによって、どことなく帯のディテールを採り入れているように感じた。
全体を通して伝えられているのは、異なるもののドッキングだ。ファーストルックは、異素材をパズルのように組み合わせた、ノースリーブのトレンチコート。上品なラペルに並んで、スポーティーなジップパーツで遊びを加えているのも面白い。その後も、胸下までテーラードジャケットでその下はトレンチ風コートであるものや、デニムジャケットとスウェットパーカー、ライダースとノースリーブパーカーといったものがミックスされ、新しい形が作られていた。
一方で、ビックサイズも今季らしい点。モデルの体形を無視したジャケットは、袖がひざの辺りまでのびた大きすぎるサイジングだ。また、スタジアムジャンパーを十二単のように重ねた、奇想天外なものも存在した。