ジュン アシダ(jun ashida)が、2016-17年秋冬コレクションを2016年3月29日(火)、東京・六本木のグランド ハイアット 東京で発表。
幕開けは、オールブラックのポンチョ。フードをふんわりかぶったスタイルに、素材の柔らかさと温かさを不思議と視覚だけで感じられる。ブラックレザーと目が覚めるようなレッドの相性は、刺激的なエレガンスを漂わせ、ジャケットやワンピースの表情を一層豊かにしているようだ。また、滑らかなラムのファーを贅沢に切り替えた黒のロングコートは、マニッシュとクラシカルが溶け合ったシルエット。手元に赤いグローブ、足元には女性らしい華奢なブーティーを合わせ、序盤のキールックのひとつとして提案された。
一方、優しくソフトな風合いと美しいドレープのカシミア混のコートは、滑らかなベルベットのパンツと相まって、上質なぬくもりを届けてくれる。アクセントとなったのは、襟元のフォックスファーに通したストール。同様の小物使いは、油絵のようなプリントを施した、鮮やかなワンピースにも組み合わせている。シルクジャカードのヘムをランダムに切り取ったストールは風に揺れ、躍動感を映し出す。
ジュン アシダといえば“エレガンス”。それを再確認させてくれるようなドレスルックは終盤に登場し、今季も会場を圧巻。ラメやビジューを散りばめて、ラグジュアリーを最大のものへと導く。ブラウンにはゴールドの、ブラックにシルバーのアクセサリーを組み合わせて、冬の冷ややかな美しさと温かみある美しさを共存させた。煌めくボタンは愛らしく、コンパクトなジャケットやカクテルコートに。精緻なレースの切り替えは、シアーな素材とレイヤードさせて…。麗しさの表現は多種多様だ。
ラストルックは息をのむほど艶やか。上身頃はクラッシュ加工のベルベット、ボリュームあるスカート部分は大輪の花柄が広がるプリントで仕上げたイブニングドレス。トップから纏った同柄のベールは、プリントをよりダイナミックに見せるとともに、ミステリアスなニュアンスを添える。アクセサリーは、デコラティブな大ぶりのもので、ベールを通して印象的な輝きを放っていた。