アディアム(ADEAM)の2016年秋冬コレクションが、東京ミッドタウンで発表された。今季のテーマは「Japanese Arts & Crafts」。日本に古くから伝わる身近なアートや工芸品がインスピレーションとなった。
ピアノの生演奏とともに幕を開けたショー。その背景に光が当たると、オーケストラたちが姿を現し、音色が響き渡った。
コレクションでは18世紀に日本で生まれたという、絹の切れ端をつぎはぎしたデザインの「ボロ」に注目。異素材の布地が一つになった、パッチワークデザインがワンピースやドレスに落とし込まれ、ユニークなテキスタイルを披露した。またオーバーサイズのウールコートは、かつて日本の農民が来ていた上着をイメージ。ラフでメンズライクなシルエットが、気負わないシックさを醸し出す。そんなムードと対比するように、ベルベットやシフォンを使用したドレスも登場し、エレガンスな要素がミックスされる。
さらに、日本の紐作りのひとつである「組紐」も様々なウェアに取り入れた。スカートやドレス、ガウンに使用された下に落ちる長い紐が揺れることで、なんとも言えない女性らしさを演出する。
スタイリングはセンシュアルに、肩を落とし肌を見せる。首元や耳元につけられたジュエリーがアクセントに。全体のカラーパレットはブラックやグレーを基調にし、柔らかいベビーピンクやグリーンを混ぜこみ、シックな中にもフェミニンな女性像を描いた。