タクーン(THAKOON)の2011-12年秋冬コレクションが、ニューヨークのリンカーンセンターで発表された。
「ヴィクトリア時代の豪華な装飾」と「アフリカのマサイ族の大胆な着こなし」をテーマに、一見相反する2つのテーマを融合させたスタイルを提案。群青に情熱的な赤や黄色、そして女性的で柔和な色調のコーラルピンクが、ベースとなるブラックやグレーを打ち消すことなく調和している。
全体を通して、スポーティとエレガンスとの融合が多くみられる。キルティングを使用したダウンジャケットは、ウエスト周りのベルトや腰回りのボリュームが女性的で上品。また、アフリカンエスニックを思わせる、ブランケットのような厚手の生地で出来たストライプ柄のスカートやドレスも、スポーティな生地ながら、ダルトーンの色調がシックでエレガント。クラシックな仕立てのジャケットに合わせた、ロココ時代を思わせる立体的な花のようなカッティングのスカートが、ルックを引き立てている。
また、アフリカンストライプに、コーラルピンクが映えるトライバルプリント、マサイ族のプレイド柄といった特徴的なプリントが、胸元からウェストにかけてのギャザーや、腰回りにボリュームをきかせたシルエットを持つロココ調のカッティングと見事にマッチしているのも特徴的。中でも、アフリカンストライプのパンツにボリューミーなシルクのチュニックのコーディネイトは、ゴージャスで可憐な王妃のようで、どこか野性的でクールな雰囲気も併せ持つ。
アフリカの原生林の中で、自然と共生しながら、逞しくも自然体で生き抜くマサイ族と、ヴィクトリア王朝の時代を代表する、華やかで気品高い王妃や貴婦人たち。この二者のコンビネーションを完璧なまでに実現させ、活動的で自信に満ち溢れた、ゴージャスな女性たちを思わせるコレクションとなった。