superfine(スーパーファイン)の2011年秋冬コレクションはローマのジプシーからインスパイアされた。彼らの写真を何枚も見ながら、デザイナーのルーシー・ピンターは「彼らの着ている服の素材や着古した服に魅せられ、それをsuperfineらしく表現出来ないかと考えた。」と語る。リサーチを続けるうちに、かつてから卓上の上に飾っていたパンクのゴッドファーザー的存在、マルコム・マクラーレンの葬儀の写真がルーシーの目に留まった。そこから「Gypsy Punk」というコレクションは生まれた。
ジプシーとパンクという2つのアイディアはシンプルに、かつ自然に融合。ウールやデニムの素材にチェック、ユニオンジャック、ボンデージディテール、オイルレザーなどをミックスし、ジプシーの服のような味のある風合いを再現する為、新しい加工に挑戦した。その加工とは、チェコスロバキア出身の写真家ジョセフ・クーデルカ(Josef Koudelka)の不気味なジプシーの写真から発案した”Ghost”だ。白いペイントをブラックで染め直し、空想的な雰囲気の質感が特徴的。スウェットに施すとまるで古くくたびれたレザーのように見えながらも、着心地は非常にソフト。カラーパレットはダークで危険なほど美しいディープパープル、ダークグリーン、グレー、ブラックがベース。差し色には黄土色を加えた。
ジャケットにはメタルウールとリネンウールを使用。メタルはパンク・アイディアリズムのタフさを表現し、リネンはジプシーの着古したジャケットを連想させる。ボイルドウールをワンピースやトップスに使用し、モダンで強い女性像を作り上げた。また、初の試みとなるチェックプリントのデニムは、パンクを主張しながらもシックなカラー展開でsuperfineらしく、大人の女性の為の一本となった。シンプルなテーラードジャケットに破れたT-shirtを合わせる強いシルエットのコーディネートで提案したのは”Filth”、”Fury”と呼ばれる新型の股上の深いパンツで、コレクションのキーアイテムとなっている。