ユマ コシノ(YUMA KOSHINO)が2016年春夏コレクションを2015年10月16日(金)に、東京・渋谷ヒカリエにて発表。
今季のコレクションでは、“対比”をキーワードに、メキシカンのイメージとクールで都会的な女性像が融合されていた。
明度と彩度の対比でスタイリングを生み出した序盤。ダーク、ペール、グレイッシュ…あらゆる赤でコーディネートしたスタイリングは、それゆえに統一感がある。小篠の色遊びは独創的だ。一見合わなさそうな色も、ネガティブな印象を払拭する。ヘリンボーンをカラフルに表現しているものや、トラッドなエンブロイダリーを刺激的に表現しているもの。それとは対照的に、グリーンのボタニカル柄に同系色の淡いグリーンやカーキを添えて、柄の存在感を引き立てるものも並べて見せた。多様な色使いでスタイリングを昇華させ、一体感を生み出していた。
素材の対比も面白い。ラミネート加工を施したツヤのあるものには柔らかいウールのパンツを、箔プリントのワンピースには草木を思わせる切りっぱなしのツイードを。そして、ナチュラルな麻の素材には人工的なメッシュを…組み合わせは複雑で、無難なものはない。ただ、不思議なのはすべてがひとつのスタイルとして仕上げられていることだ。
コレクションにさらにスパイスを与えたのは、フォルムに立体感を出すレイヤード。ワンピースやトップスの裾からは、ちらりとプリーツを見え隠れさせて。揺れる素材を覆い隠す少し硬い素材は、矛盾を生じさせながらもコレクションに奥行きを与えていた。