パッチーケークイーター(Patchy Cake Eater)の2016年春夏コレクションが、2015年10月13日(火)に東京・渋谷ヒカリエで発表された。今シーズンのテーマはビリヤードだ。
ショー開始とともに、ランウェイでビリヤードを始めるモデルたち。ショーツを履いた70年代風リーゼントの若者は、ショーツを履いて涼しげな一方、どこか小僧のような雰囲気も漂わせる。トップスには半袖シャツにボウタイを閉めたスタイルが特徴的で、各々が小洒落たサマースタイルを披露する。
中盤は、セットアップでまとめたスタイルを展開。かなり細めに絞ったパンツに、丈を短く設定したジャケットで、フレッシュかつ若々しい印象を与える。普段からタイトなシルエットが得意なブランドであるが、今シーズンはジャケットの肩をすこし落としてボックスシルエットにするなど、丸みを持った全体を意識。ピークドラペルからノーカラーまで、美しいテーラリングで幅広いジャケットの型を展開し、見るものを飽きさせない。そして終盤はトレンチコートやチェスターコートなどを羽織ったクラシックなコーディネートも。
カジュアルなビリヤードゲームをする格好を見せた今シーズンだが、誇りを持ったテーラリング技術に加えて、サテン地ひとつとっても糸1本、編み方1つにまでこだわっている。中には、ビリヤードをするだけなのに、なぜセットアップやコート、ボウタイ?と疑問を抱く人もいるだろう。しかし、昔の用語で、ブランドの「ケークイーター」とは、お洒落をして遊びに出かけた若者のことだとデザイナーは語る。ちょっと遊びに出かける時も、自分だけの洒落たスタイルを。デザイナー自身が普段遊びに出かけるビリヤードをテーマにしたのも、そんなメッセージが込められている。