震災で延期となったアライサラ(araisara)の2011-12A/Wコレクションがランウェイ形式で発表された。今回のコレクションテーマは「勇将の美」。
日本の伝統文化や技術を取り入れ、それを現代的に服に落とし込むアライサラ。5シーズン目となる今コレクションは、天下統一を目指した日本の歴史の勇将たちの力強さや、装いの美しさにインスパイアされたもの。江戸幕府5代将軍・徳川綱吉ゆかりの湯島聖堂が会場に、バイオリンの生演奏にのせて、ショーがスタートした。
今コレクションはこれまでの繊細な美よりも、力強さが反映された。震災後、京友禅に油絵の技法を取り入れてハケでさらに色を追加したが、この染めは、それ以前より強い色彩に変化。これについて「震災前とテーマは変わらないが、こういう状況だからこそもっと強く生きるのが大事。より強さを表現したかった。」との思いから。
アイテムはワンピース、ジャケット、コート、ドレス、スカートなど。繊細な刺繍や染めなど手の込んだアライサラのアイテムの数々は、それ自体がより引き立って見えるようなシンプルなスタイリング。カラーは黒をメインに、グリーン、イエロー、ブルー、ゴールドを挿し色に用いている。グリーンは抹茶色やエメラルドグリーンなど、素材によって微妙に表情が異なる。シルクなど光沢感のある素材が多くエレガントなイメージ。シースルーの素材も所々に見受けられた。
これまでも登場してきた、昔の生地と現在の生地を繋ぎ合わせた「時織」のアイテムも健在。異素材のトップスと時織を組み合わせたワンピースはよりモダンな印象だ。また、これまで使用してこなかったレザーのアイテムも多く登場。レザーはエコレザーのものと蝦夷鹿の2種類。もともと今回はレザーを素材に使おうと思っていたが、震災の影響で蝦夷鹿のレザーが余っている現状があったと、その経緯を語った。レザーのアイテムは、ハードというより軽やかで繊細なもの。ウエストのベルトなどワンポイントにもレザーが使用され、引き締まった印象に仕上げた。
さらにユニセックスのアイテムも展開。これは着る人の体型やサイズに関係なく装い、着る人によって完成する服を作ろうということから生まれた。パターンを調整することで、この「九十九式」というユニセックスのアイテムが作られた。
湯島聖堂の野外でショーが開催されたが、これについては「“自然に見せる美しさ”を感じてもらいたかった。」とデザイナー荒井沙羅氏は語る。自然光と風の中を颯爽と歩くモデルたち。さながら戦乱の世を強く美しく生き抜いた勇将の姿を彷彿とさせるようなショーとなった。