2010年10月20日、ザ ドレス アンド コー ヒデアキサカグチ(The Dress&Co. HIDEAKI SAKAGUCHI)の2011年春夏コレクションが発表された。
今期のテーマは「BOURGEOISIE IN CASABLANKA」。
バンコクや上海といった、街と人とが混沌としたノスタルジー溢れる世界で生きる、富裕層の女性をイメージ。現在の社会情勢のブルーな雰囲気を変え、社会へのカウンターとなるアンチテーゼを示したいとの思いから生まれたものだという。
コレクションは、異国情緒漂う音楽の中、まず、麻などの素材を用いシックでありながらもリラックスした雰囲気のリゾート感溢れるスタイルを展開。やがて曲調が変わり、波の音色が響く中、アイテムはよりラグジュアリーでゴージャスなスタイルへと変化していく。主に使用さていたのは、ホワイト、ネイビー、ベージュといったシンプルでエレガントなカラー。
また、本コレクションで印象的であった、襟元や袖口にジャカードテープをあしらったトレンチコートのデザイン。このデザインに関してデザイナーの坂口英明氏は、80年代から90年代にかけてのバブル期における日本の富裕層の人々が着ていた服装の「しょうもないけど素敵なものを過剰に載せている感じ」を表現したかったのだと語る。
シックで美しく、官能的な女性観を表現することに長けた坂口氏らしさ溢れる魅力的なショーであった。