リック オウエンス(Rick Owens)の2015年春夏コレクションが、2014年9月25日(木)にパリで発表された。
今季はいつもの構築性はそのままに、空気のような軽量感をもつドレススタイルが展開。透き通るほど薄い素材は、一見柔らかそうであるが、目を凝らすと幾重にもなり、しっかりとしたフォルムを象っている。肩からは幾何学的にプリーツされた生地がのせられ、幻想的かつ生命力のあるオーラが漂う。
ふんわりとした装いの中、突如として全身真っ白なモデルが出現。彼女が着ているAラインドレスは角張った線がフェルトで描かれており、そのインパクトのある姿とも相まってか、どこか未来的な雰囲気。メンズコレクションにも見られた白いペイントは、その後もランダムに姿を見せる。装いは引き続きドレスが中心となり、スクエア型の裾が四方に広がるベアトップのものや、さなぎのようなプリーツのサックドレスなどが次々に登場。
ガーメントやメイクも個性的ではあるが、今季はシューズも非常に斬新。静かな会場で、カツカツと鳴り響く先の足元に視線を伸ばせば、そこには下駄のようなソールがあった。足首はショートブーツのように覆われているが、ベースはサンダル。エアリーな服と、強烈な顔、そして日本人にとって古風な要素を取り入れたサンダル、という組み合わせはつかみどころがない。
中盤より2ピースの着こなしが増え始め、中でも目を引いたのは折り紙のようなタートルネックだ。通常は柔らかに首を覆うはずだが、リックのアイテムはパリッとした立体感がある。デコルテからピンと伸びた生地、大胆にカットされた裾など、アート作品ともいえるような一着だ。そしてラストは軽い空気感をとっぱらい、筒の様な袖をアシンメトリーに配したボリューミーな服で締めくくった。