マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)が、2015年春夏コレクションを発表。今季はミリタリーウェアをインスピレーションに、モダンなシェイプと、クチュールのテクニックを駆使した装飾をほどこしたワードローブを披露する。
会場には、イギリスの映画監督ジョン・スミス(John Smith)のショートフィルム『The Girl Chewing Gum』にインスパイアされた、大きなピンクの家が設置される。その影から姿を現すように現れたモデルたちは、軍服をイメージさせるニュートラルなパレットの服に身を包み、ランウェイを歩いた。
ファーストルックはウエストマークした丸いシルエットのドレスルック。その後は、ロング丈のシャツドレスやジャケットなどが続いていく。パッチポケット、肩章、大きな金ボタンがあしらわれたピースの数々は、今季のイメージを体現しているのが明らかだ。中でも深みのあるグリーンやブルーのジャケットは、サイドにポケットのついたワイドパンツやショルダーバッグなどとコーディネートされ、クラシカルなミリタリーの要素を強く感じさせる。
ショーが進むにつれて、さらに装飾的なデザインが目立ち始める。艶やかなサテンはプルオーバーのポケットなどでアクセントにとして使用されたほか、ジャケットやジップアップパーカにはトロンプルイユのようにギュピール刺繍も配された。また立体的な丸いボタンも特徴的なディテールのひとつ。上着やパンツにいくつもあしらうことで、装いに現代的なユーモアをプラスした。
後半はタンクトップとワイドパンツ、ロングドレスといったリラクシングな気こなしが登場する一方、ドレッシーなシースルーのミニドレスなども登場。またざっくりとしたリネンのセットアップやベアトップドレスも、とびきりユニークな一着。ナチュラルな素材は刺繍やボタン、ボリューミーなポケットで飾られ、フェミニンなアイテムに遊び心を吹き込ませた。
コレクションを通じて、どこかこなれたムードを醸し出しているのは、足元にフラットサンダルを選んでいるからといえるだろう。アイボリーやゴールド、ディープブルーで彩られたシューズは、シルクやサテン、ベルベットを用いてラフなアイテムをリュクスにアップデート。またビッグサイズのバックパック、クロスボディのバッグなどもどこかアクティブな印象をあたえ、肩ひじはらないスタイルを提案した。