展覧会「没後50年 映画監督 田坂具隆」が、東京・京橋の国立映画アーカイブにて、2024年9月7日(土)から11月24日(日)まで開催される。
1926年に『かぼちゃ騒動記』でデビューし、『女中ッ子』『陽のあたる坂道』『ちいさこべ』『五番町夕霧樓』などを手掛けた映画監督、田坂具隆(たさか・ともたか)。映画史に残る名作の数々を制作してきた一方で、これまで再評価の機会に恵まれなかった。没後50年という節目を迎える今回、その功績にフォーカスした初の大規模回顧展が開催される。
田坂の作風においてまず特筆すべきなのは、“小さきもの”に寄り添い、それを描き続けてきたこと。少年少女だけでなく、拠り所のない人々、野の草花など、目に留まりにくく軽視されがちなものに視線を注いだ。「没後50年 映画監督 田坂具隆」の前半では、『真実一路』『路傍の石』『母子草』といった作品の中で描かれる“小さきもの”の系譜を辿る。
広島で被爆・闘病を経験するなど、戦争に大きく翻弄された田坂は、子供たちを“戦禍の一番の犠牲者”と位置付け、より強く“小さきもの”たちへ焦点を当てるようになっていく。少年を主人公とした『雪割草』、闘病後の復帰作となった『女中ッ子』、未完に終わった『夕刊小僧』などの作品資料や衣装・小物は、子供たちに対する田坂の眼差しを色濃く反映している。
田坂と、彼を取り巻く業界人との関係が読み取れる貴重資料にも注目。田坂本人が現場で使用した台本や、家族ぐるみで交流があった俳優・映画監督の小杉勇(こすぎ・いさむ)の旧蔵資料など、関係者たちの手元に残る約170点の展示品を通して、田坂の人物像を追究する。
【詳細】
展覧会「没後50年 映画監督 田坂具隆」
会期:2024年9月7日(土)〜11月24日(日)
場所:国立映画アーカイブ 7階 展示室
住所:東京都中央区京橋3-7-6
開室時間:11:00〜18:30(最終入室 18:00)
※9月27日(金)・10月25日(金)は20:00まで開室(最終入室 19:30)。
休室日:月曜日
料金:一般 250円(200円)/大学生 130円(60円)
※括弧内は20名以上の団体料金。
※65歳以上、高校生以下、18歳未満、障害者手帳所有者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料。
※常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む。
※11月3日(日・祝)は無料。
※「田坂具隆」の「隆」は旧字体。
【問い合わせ先】
国立映画アーカイブ
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)