デンマークのスポーツブランド・ヒュンメル(hummel)の新ライン、ヒュンメルオー(HUMMEL 00)の2025年春夏コレクションが、2024年7月12日(金)に東京・南青山にて発表された。
2025年春夏シーズンよりデビューする、ヒュンメルのファッションライン、ヒュンメルオー。ファーストシーズンにして初のランウェイショーという記念すべき場で、スポーツウェアにとどまらない多彩なウェアを披露した。
題材としたのは、架空のホテル「ヒュンメルホテル」。年代、職業、関係性の異なる人々が、様々な目的をもって過ごすホテルという場において、彼らのワードローブをイメージした。ここで大事にしたのは、他者との楽しい時間や居心地の良い空間を意味する言葉「ヒュッゲ(Hygge)」だ。スポーツブランドならではのイージーケアや機能性を取り入れつつも、日本でいう禅や侘び寂びといったような、北欧の人々が大事にする概念を落とし込み、リラクシングかつエレガントな雰囲気に仕上げている。
ホテルでのリラクシングなひと時には、ガウンがつきもの。一般的にはパイル生地のバスローブを多く目にするが、ヒュンメルオーではパデッド素材でアレンジ。紐ほど細いベルトでウエストをマークし、コートに仕立てた。植物などを描いた鮮やかな柄は、ホテルの壁紙に見られるようなプリントをモチーフとした。
北欧・デンマーク生まれのブランドらしく、北欧ならではの風景を落とし込んだグラフィカルなシャツも目をひく。夕暮れどき、北欧では渡り鳥が飛び立ち、空を埋めるそう。そんな光景を、夕陽をイメージしたグラデーションに渡り鳥を表すドットを散りばめて、艶やかなシャツに描き出した。
シルエットは総じてゆったりとオーバーに。シャツやジャケット、パンツはいずれも身体のシルエットを隠すように、ふんわりと裾の広がりを見せる。仕事でホテルを訪れたのだろうか、ネクタイを合わせたシャツや、テーラリングも見受けられたが、ヒュッゲの精神に合わせるかのようにオーバーなシルエットとなっている。
対して、ヒュンメルのスポーツウェアとしてのルーツを感じられるのが、オーバーなトップスに合わせたスパッツだ。タイトに沿い、足のラインを露わにすることでオーバーなシルエットとの対比を分かりやすく示した。なおスパッツや、時折差し込まれたサッカー用ソックスといったアイテムは、メインラインともいえるヒュンメルから取り入れたもの。スポーティー全開のアイテムをいかにエレガントに魅せるかこだわったそうだ。
ホテルのスーベニアを想起させるバッグやタオルといったアイテムは、コレクションの随所に散りばめられた。中でも“HOTEL HUMMEL”のロゴをあしらったミニバッグは、本当にホテルが存在するのではないかと思わせるほど遊び心溢れるアイテムとなっている。