ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)は、前回と同じ広大なパリの倉庫で2015年春夏コレクションを発表した。
今シーズンはバスケットボールをイメージしたクリエーションが花盛りだが、その先鞭を付けたのが前シーズンのリカルド・ティッシ。当然今回もバスケットボールの要素を入れてくると思われたが、最初に現れたのは黒のダブルブレストのスーツに下はショートパンツの男。かろうじてビーニーがそれを連想させるが、その後も黒のテーラードを基調としたルックが円形上のランウェイを闊歩する。
中盤に入ると、前回より少し細めのラインが入ったピースが登場。ポケット縁やリストバンド風に入ったラインは、何かの暗号のような趣がある。
コレクションを象徴するのは、顕微鏡で微生物を眺めたような柄と、花柄をペンキのように配置した柄。コート、ジャケット、Tシャツ、タンクトップ、ショートパンツ、靴など、様々なアイテムに落とし込んでいる。後半に入ると、その柄の上にパール刺繍を施した立体的なピースが登場。贅沢さとワイルドさが共存した“ストリートオートクチュール”なウェアだ。
色は潔くブラック&ホワイトのみ。ドクターマーチンを連想させるブーツも、ワイルドな雰囲気の演出に一役買っている。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)