マルニ(MARNI)の2024-25年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで発表された。
1994年に創業し、2024年でブランド設立から30周年を迎えるマルニ。過去3シーズン、ニューヨーク、日本、パリと世界を巡回したコレクションを経て、今季はホームタウン・ミラノに戻っての開催となる。
クリエイティブ・ディレクターのフランチェスコ・リッソはこの記念すべきコレクションを制作するにあたり、これまでの参考文献を全て捨て、まっさらな状態からスタートしたという。子どもの頃に感じた衝動的で生々しい感覚を呼び起こすべく、外からの情報やこれまでのイメージを遮断し、本能のままにデザインを進めたのだ。
まず目を引くのは、ブランドならではの構築的なフォルム。芸術的でシャープな印象を与える“円柱型”のドレスはまさにその好例で、ハリ感のある素材が立体感をさらに増幅させている。シルエットは、ロングドレスのダイナミックさが際立つ一方、コンパクトなトップスやミニ丈のキャミソールワンピースなどコンパクトなものも登場し、両極をなしていた印象だ。
“本能的な感覚に立ち返る”という今季のテーマに合わせてか、動物を思わせるピースも続々と登場。レオパード柄のポンチョコートやブーツをはじめ、毛皮をドッキングさせたようなボリューミーなドレス、グローブが一体化したニット、さらには毛足の長いファーで身体を覆った半獣人のようなルックもお目見えした。
カラーパレットは、ブラック、ベージュ、グレー、ヌードなど、ベーシックかつニュートラルなものをベースに、鮮烈なレッドやブルーを差し込んでいるのが特徴。絵の具の筆跡が残るコクーンコートやミニドレスは、服をキャンバスに本能のまま色をのせたような、いきいきとしたエネルギーを感じさせ、コレクションに生命力を吹き込んでいる。
また、コレクションを彩る小物類にも注目だ。たとえばシューズには、つま先がぷっくりと膨らんだ“ピエロ風”ブーツが登場。また、毛足の長いシャギートートバッグや、極端なほどロング丈にのばしたグローブなど、個性的なアイテムが遊び心をプラスしていた。