2014年6月22日(日)、ボッテガ ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)は2015年春夏コレクションをイタリア・ミラノで発表した。
今回のコレクションを一言で表すと、肩の力の抜けた“リラックスラグジュアリー”。いつもよりテーラードの数が少なめで、主役を演じたのは洗いをかけたニット、アウター、シャツたち。それにタイパンツ風のスウェットパンツと軽やかなスリッポンをを合わせるのが象徴的なスタイルだ。
特筆すべきは、ニットのバリエーションの豊かさ。ファーストルックのグラデーションのローゲージニット、ホワイトのニットの上に刷毛で紺のペンキを塗ったようなガンジー風セーター、透け感のあるカシミヤニット、ブリーチしたインディゴニットなど、洗いや退色加工などで新しさを表現したニットをランウェイに並べた。
ライダースディティールのブルゾンや、アウトドアライクな半袖のプルオーバーパーカー、洗いをかけたジャケットもリラックスした雰囲気。ほとんどのウェアは裏地がなく、スポーティーな作りとなっている。パンツはルーズでゆったりしたシルエットと、程よく身体にフィットする2タイプ。ショー後半には、胸をはだけたシャツをノーベルトのタックパンツにインした80年代風のスタイルも見せた。
カラーパレットは、太陽の光を浴びて褪せたような色合いが中心で、ブルー、グリーン、サンド、バナーヌ、フラミンゴなど。ペールカラーのコントラストを演出する色として深いネイビーも多用している。素材はリネン、コットン×リネン、薄手の使い込んだような表情のスウェード、ハイゲージとローゲージのカシミヤなどで、全てが最上級なのは言うまでもない。
今回のコレクションについて「身体の動きから大きなインスピレーションを得た」と話すクリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤー。いつものような一目で分かる上質さではないが、内側からそこはかとなく品の良さが滲み出るのはこのブランドならではだろう。
Text by Kaijiro masuda(FASHION JOURNALIST)