東京・南青山の根津美術館では、企画展「魅惑の朝鮮陶磁」、特別企画「謎解き奥高麗茶碗」を、2024年2月10日(土)から3月26日(火)まで開催する。
企画展「魅惑の朝鮮陶磁」は、清らかさと素朴な強さをあわせ持つ朝鮮陶磁の歴史と魅力を、主に根津美術館の館蔵品を通して紹介する展覧会だ。
朝鮮陶磁は、古くから日本の陶磁器に影響を与えるとともに、日本人によって愛好されてきた。日本では、5世紀に朝鮮半島より陶質土器の技術が伝わり、須恵器が誕生している。また、16〜17世紀には、朝鮮半島で作られた茶碗「高麗茶碗」が茶人の人気を集めるとともに、磁器の焼成技術がもたらされることになった。さらに、近代日本の陶磁器愛好家は、16〜18世紀の白磁などを積極的に蒐集している。
本展では、中国や日本の陶磁器とは異なる魅力を持つ、朝鮮陶磁の数々を紹介。「翡色(ひしょく)」と呼ばれる高麗時代の青磁の名品《青磁蓮華唐草文浄瓶》や、端正な姿と淡いびわ色で名高い茶碗《青井戸茶碗 銘 柴田》(ともに重要文化財)などを目にすることができる。
一方、特別企画「謎解き奥高麗茶碗」では、奥高麗茶碗に着目。奥高麗茶碗とは、朝鮮の高麗茶碗を模して、九州肥前地方(現・佐賀県唐津市周辺)で焼かれた茶碗だ。その名称は、江戸時代後期の記録などに見られるものの、どの窯でいつ頃焼かれたのか、どのような茶碗が「奥高麗」であるのかなど、依然として謎が多い。
本展示では、奥高麗茶碗を「唐津焼の茶の湯の茶碗」として捉えることを試みるもの。高麗の特徴的な姿である、ゆったりと大ぶりな《奥高麗茶碗 銘 福寿草》や、奥高麗のなかでも高麗茶碗の雰囲気を示さず、茶の湯の茶碗としての唐津の茶碗の完成形だといえる《奥高麗茶碗 銘 三宝》(重要文化財)などを展示する。
企画展「魅惑の朝鮮陶磁」/特別企画「謎解き奥高麗茶碗」
会期:2024年2月10日(土)〜3月26日(火)
会場:根津美術館 展示室1・2
住所:東京都港区南青山6-5-1
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(2月12日(月・振)は開館)、2月13日(火)
入館料:一般 1,300円(1,100円)、学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※オンライン日時指定予約(2月6日(火)より美術館ホームページにて予約受付開始。招待はがきなどを持っている場合も予約のこと)
※( )内は障害者手帳の提示者および同伴者1名の料金
※オンライン日時指定予約の定員に空きがある場合のみ、当日券(一般 1,400円、学生 1,100円)を美術館受付にて販売
【問い合わせ先】
根津美術館
TEL:03-3400-2536(代表)