ゼニア(ZEGNA)の2024年秋冬コレクションが、2024年1月15日(月)、イタリアのミラノにて発表された。
温かみのある素材と色遣いで、上品で柔らかなシルエットを描きだす、今季のゼニア。その中心となるのが、最高級のカシミヤ素材だ。さまざまな質感へと変奏されるカシミヤを取り入れ、テーラリングやニットなどを豊かに展開してゆく。
テーラードジャケットやコート、ワークジャケットなど、シルエットは上品でありながら抜け感が漂っている。テーラードジャケットにはシングルブレストを中心に採用し、ラペルに切れ込みを入れつつもショールカラーのような曲線に。ショルダーは、テーラリングならば肩幅よりも幾分余裕を持たせ、ワークジャケットやレザージャケットならばドロップさせる。ウエストにはシェイプを施さず、穏やかに直線を描くラインに仕上げることで、余裕のある佇まいを醸しだした。
上でテーラリングとワークジャケットと書いたとき、そのテイストは厳格にフォーマルとカジュアルという二分法に則るのではない。テーラードジャケットはポケットを外付けにする一方、ワークジャケットはポケットといった機能的なディテールも含めてワントーンにまとめるなど、日常に溶け込む上品さが柔らかに探られている。
カラーは、上品なカシミヤの温かみに呼応して、ベージュ、ブラウン、エクリュといったニュートラルな色味を多用している。また、力強いマスタードやれんが色、淡く繊細なペールピンクなどで、コレクションにアクセントを添えた。個々のルックには、ゼニアらしく同系色を組み合わせることで、色調のニュアンスを引き立てている。
トーン・オン・トーンの妙を引き立てるのが、レイヤリングだ。タートルネックのニットはスリーブをやや短く、プルオーバーには深いVネックを。アウターには、Vゾーンを活かすテーラードジャケットやチェスターコート、丈感に変化をつけられるベストなどを取り入れるなど、レイヤードによって色彩感とシルエットのニュアンスを温かく際立てた。
Credit: Courtesy of ZEGNA