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企画展「野良になる」十和田市現代美術館で - 近代が生み出した“人間”を再考、若手作家4人を紹介

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企画展「野良になる」が、青森の十和田市現代美術館にて、2024年4月13日(土)から11月17日(日)まで開催される。

多彩な視点から自然を捉える作品を紹介

[参考図版] アナイス・カレニン 《植物 祖先》 2023年 撮影:竹久直樹
[参考図版] アナイス・カレニン 《植物 祖先》 2023年 撮影:竹久直樹

近年、世界規模で気候変動への危機感が高まるなか、人間は自然に対する関係を再考することが求められている。しかし、現在の「人間」のあり方自体が、自然を支配すべき他者として扱ってきた歴史から生じているならば、こうした「人間」が自然を「救う」ことには疑問がつきまとわざるをえない。

[参考図版] 䑓原蓉子 《それじゃわからない》 2022年
©Yoko Daihara, courtesy of Take Ninagawa, Tokyo. 撮影:岡野圭
[参考図版] 䑓原蓉子 《それじゃわからない》 2022年
©Yoko Daihara, courtesy of Take Ninagawa, Tokyo. 撮影:岡野圭

企画展「野良になる」は、近代が生み出した、自律的・理性的な主体としての「人間」を再考し、その成立過程で排除された存在や思考に光をあてる展覧会だ。国内外の4人の若手作家、丹羽海子、䑓原蓉子、永田康祐、そしてアナイス・カレニンを取り上げ、さまざまな視点から自然を捉える表現を紹介する。

[参考図版] 丹羽海子 《Metropolis Series: Good Egg Community》 2022年
Courtesy the artist and Someday, New York 撮影:Daniel Terna
[参考図版] 丹羽海子 《Metropolis Series: Good Egg Community》 2022年
Courtesy the artist and Someday, New York 撮影:Daniel Terna

丹羽海子(にわ うみこ)は、身体やジェンダーにとらわれない主体のあり方を探っており、萎れた華や熟れた果実などの有機的な素材を用いて移ろいやすい存在を表現してきた。また、䑓原蓉子(だいはら ようこ)は、デジタルとアナログの重なりに対する関心のもと、iPad上で構成したイメージを、ウールテキスタイルへと変換した作品を手がけている。

[参考図版] 永田康祐 《Feasting Wild》 2022年 撮影:奥祐司
[参考図版] 永田康祐 《Feasting Wild》 2022年 撮影:奥祐司

一方、永田康祐(ながた こうすけ)は、品種改良や養殖といった人間による管理と、動植物の生が交わる関係に着目し、映像や料理の作品を発表。さらに、サンパウロ生まれのアナイス・カレニンは、ブラジルに植民地時代以前から伝わる知識をもとに、植物と人間の関係性を問い直す作品を制作してきた。

[参考図版] 丹羽海子 《Baby Shoe Series: My Daughter Beluga》 2023年
Courtesy the artist, xyz collective, and Someday, New York
[参考図版] 丹羽海子 《Baby Shoe Series: My Daughter Beluga》 2023年
Courtesy the artist, xyz collective, and Someday, New York

本展では、4人の作家による新作を中心に、彫刻、映像、ウールのタペストリー、サウンド、インスタレーション、食など、さまざまな表現による作品を紹介。人々の思考を規定する二項対立的な枠組みの境界をかき乱しつつ、野生でも飼われるのでもない「野良」のようなあり方を浮かび上がらせてゆく。

なお、本展は、弘前れんが倉庫美術館を含む⻘森県内の5つの美術館、アートセンターを中心に展開される「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」の一環として開催されるものだ。

展覧会概要

企画展「野良になる」
会期:2024年4月13日(土)〜11月17日(日)
会場:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
開館時間:9:00〜17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
観覧料:一般 1,800円(常設展含む)、高校生以下 無料

■出展作家
丹羽海子、䑓原蓉子、永田康祐、アナイス・カレニン

【問い合わせ先】
十和田市現代美術館
TEL:0176-20-1127

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