展覧会「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし」が、東京・中目黒のエヌ・アンド・エー アートサイト(N&A Art SITE)にて、2024年2月1日(木)から3月2日(土)まで開催される。
現代ドイツを代表する映画監督、写真家であるヴィム・ヴェンダース。1945年に生まれたヴェンダースは、71年の長編映画デビュー作『ゴールキーパーの不安』で注目を集めて以降、国際的に活躍しており、近年は映画『PERFECT DAYS』を手がけている。また、写真家としても、世界各地の美術館で展覧会を開催してきた。
展覧会「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし」では、ヴェンダースが手がけた電子絵画と写真を紹介。1991年の映画『夢の涯てまでも』のクライマックスシーンから生みだされた電子絵画作品「Electronic Paintings」シリーズに加えて、84年の映画『パリ、テキサス』ロケ時にヴェンダースが撮影した、アメリカ中西部の風景写真「Written in the west」シリーズを展示する。
映画『夢の涯てまでも』において、主人公の盲目の母親は、主人公が世界中を旅しながら撮影したイメージを、最新鋭の機械によって脳内で「見る」ことになる。そのクライマックスシーンを制作する過程でヴェンダースは、映像や写真、ドローイングなど、さまざまなアナログデータをデジタルデータに変換するときに、絵画のような幻影を偶然見出した。ヴェンダースは、このイメージに俳優の写真を撮影、合成することで、鮮烈な表現を生みだしたのだった。
「Electronic Paintings」シリーズは、こうして作られたクライマックスシーンからヴェンダース自身が静止画を取り出し、画像と色彩を操作して高精細に出力したもの。本展では、同シリーズの作品とともに、『夢の涯てまでも』制作当時の貴重なドキュメントも紹介する。
なお、本展は、2024年2月2日(金)から18日(日)まで、東京都写真美術館ほかにて開催される恵比寿映像祭2024「月へ行く30の方法」の地域連携プログラムだ。
展覧会「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし / Wim Wenders’s Lucid Gaze」
会期:2024年2月1日(木)〜3月2日(土)
会場:エヌ・アンド・エー アートサイト
住所:東京都目黒区上目黒1-11-6
開廊時間:12:00〜17:00
休廊日:日・月曜日、祝日
観覧料:無料
※展示作品は一部を除いて販売(会場での申込制)