メゾン キツネ(Maison Kitsuné)の、2024年春夏コレクションを紹介。
2024年春夏シーズンは、「エンドレスサマー」をテーマに“終わらない夏の小旅行”を表現。都会を出発し、開放感あふれるビーチへと向かう軽快で自由な雰囲気のウェアを提案する。東京から沖縄、パリからビアレッツ、もしくはニューヨークからカリフォルニアへの旅の気分や風景を反映し、表情豊かな色彩とノスタルジックな感性を落とし込んでいる。
展開されるのは、都市の喧騒を離れてビーチへと向かう旅行に必要とされるワードローブだ。洗練されたダブルフェイスコットンのコートや、ピンストライプのテーラードジャケット、フレッシュなデニムのセットアップなど、都会的なベーシックウェアが心躍る旅の始まりを彩る。
そして、ガソリンスタンドの看板やモーテルの備品をモチーフにしたポップなウェアはロードトリップの思い出として余韻を残し、動きやすく機能的なワークウェアやスポーティーなウィンドブレーカーなどアクティブなアイテムが、軽やかなフットワークに寄り添う。
目的地のビーチに到着したら、肩の力を抜いて。90年代のサーフウェアを彷彿させるプリントTシャツや、ブリーチデニムのプルオーバー、ハーフパンツは懐かしさとともに開放的な気分を演出し、生地をたっぷりと使ったキャミソールドレスや絵画のようなカラーブロックニットカーディガンが、ゆったりとしたリラクシングなムードを描き出す。
印象的なのは、トーンは落ち着いていながらも華やかなカラーパレット。夕陽を思わせるピンクグラデーションのメッシュトップスや、青空のもとにぼんやりと風景が浮かび上がるようなカットソーなど、ややスモーキーなトーンの色を使うことで詩的な雰囲気に仕上げたウェアが目を引く。また、刺繍をふわふわの質感に刷新したフォックスロゴのニットは、淡いライラックやレモンイエロー、くすみブルーなどカラーバリエーション豊かに展開される。
また、散見されたのはフラワーモチーフやアロハ柄だ。褪せたような色味のアロハ柄シャツワンピースや、グレーがかった空や海を背景にパームツリーやハイビスカスを描いたアロハシャツなど、時間の経過を思わせるようなリゾートウェアが揃う。
ストレートデニムやハリのあるコットンドリルジャケットには、「アブストラクト・デイジー」モチーフを総柄でプリント。手描きのようなタッチで表面を埋め尽くすように描かれた「アブストラクト・デイジー」モチーフは、どこか幾何学的な表情を見せている。