タオ(TAO)は、2024年春夏コレクションを、2023年10月25日(水)に東京・南青山にて発表した。
今季のテーマは「インディゴブルー」。デザイナーの栗原たおが旅をしたときに自然の豊かさ、雄大さに心を動かされ、クリエーションに自然のエネルギーを取り込みたいと考えたという。希少な手仕事と自然の原料によって生み出される琉球の藍染を主軸に、インディゴ染めなど表情豊かなウェアが展開された。
注目したいのは、沖縄・宮古島生まれの書道家、新城大地郎とのコラボレーションによる、ブルードットのプリント地。“墨ではなく琉球藍染で書いた時にどのような表現になるのだろうか?”という問いを出発点に、書ならではの滲みやかすれのタッチを生かした有機的なドット模様が白地のドレスやスカート、生成りのギャザースカートを彩っている。
自然のエッセンスになじむクラフトも特徴的な要素だ。インドの職人とタッグを組んだというテキスタイルは、いずれも染めならではの色のムラ感や、手触りのある質感を生かしており表情豊かな風合いに。デニムジャケットや、透け感のある藍色のスカート、ストールには細かいシワが浮かび、柔らかな表情を見せている。また、ドット地の上から染色を施したセットアップは、薄く染まったドット模様が生き生きとした躍動感をプラス。上履きに製品染めを施したシューズも目を引いた。
また、パッチワークのスカートやギャザーを重ねたジャケット、華やかなクロシェ編みニットのトップスなど、クラフト感あふれるディテールは随所に登場している。インディゴブルーのアイテムにレイヤードした、ブラックやホワイトのジレには、フロントにカラフルなミラー刺繍をオン。背面にはリボンをあしらい、遊び心のあるアイテムに仕上げている。
布を巻き付けているかのようなデザインのドレスやトップスに見られる、カーブを描くようにぎゅっと寄せたギャザー、布地を集めて結んだディテールも印象的だ。デザイナー・栗原たおは“よりプリミティブな作り方”を意図したと話し、あまり生地の裁断はせずに造形していったという。
尚、ランウェイにはパトリック(PATRICK)とコラボレーションしたスニーカー「クール・スタジアム(C-STADIUM)」が登場。1970年代アーカイブのジョギングシューズをリメイクしたもので、インディゴ染めや墨染めなどを施し表情豊かな仕上がりに。アッパーには通気性の良いメッシュ素材が採用されている。