展覧会「魔除け ─見えない敵を服でブロック!─」が、東京の文化学園服飾博物館にて、2023年12月9日(土)から2024年2月14日(水)まで開催される。
人々が科学の知識をいまだ持たなかった時代、病気や死は、目に見えない「魔」によって引き起こされるものであると信じられた。こうしたなか、人体と外界との境界にある衣服は、「魔」から身を守る役割を担うことになった。その例に、「魔」を追い払い、さらに幸運を引き寄せるとされた文様を衣服にあらわすことや、装身具によって結界を築くことを挙げることができる。
展覧会「魔除け ─見えない敵を服でブロック!─」では、魔除けや招福の役割に着目しつつ、世界各地の民族衣装や装身具を紹介する。
魔除けのひとつの方法が、光や音、強い匂いなど、「魔」が苦手と考えられるものを身に着けることであった。会場では、光を反射する鏡を用いたインドのブラウスや、音の鳴るものを装飾したイエメンの首飾り、匂いを発するクローブを用いたパキスタンの首飾りなどを展示する。
強い生き物を自らに憑依させたり、その力を借りることで、「魔」を惑わせることも行われた。力強い虎、毒を持つサソリや蛇などを、衣服や装身具のモチーフとしたのだ。会場では、虎をかたどった中国の子供靴や、大蛇の模様をあらわしたインドネシアの衣装などを目にすることができる。
「魔」を払うとされた特別な色もまた、身にまとうものに用いられた。赤は、血や炎、太陽を連想させる色であり、特別な力を持つされてきた。本展では、赤い刺繍を施したマケドニアのシュミーズや、赤い素材を用いたトルクメニスタンの背飾りなどを紹介する。
展覧会「魔除け ─見えない敵を服でブロック!─」
会期:2023年12月9日(土)~2024年2月14日(水)
会場:文化学園服飾博物館
住所:東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 1F
開館時間:10:00~16:30
※12月15日(金)、1月19日(金)は19:00まで
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:日曜日、祝日、振替休日、12月28日(木)~1月5日(金)
入館料:一般 500円、高校・大学生 300円、小・中学生 200円
※20名以上の団体は各100円引き
【問い合わせ先】
文化学園服飾博物館
TEL:03-3299-2387