サンローラン(Saint Laurent)の2024年夏コレクションがフランス・パリで発表された。
着想源となったのは、航空業界や自動車競技など、かつて男性のものとされたジャンルに進出した先駆的な女性たち。女性飛行士として活躍したアメリカ出身のアメリア・イアハートやフランス出身のアドリエンヌ・ボーランに思いを馳せた今シーズンは、メンズワードローブの中に女性らしさが垣間見える洗練されたコレクションとなっている。
キーアイテムとなったのは、サファリジャケットやジャンプスーツといったメゾンを象徴するウェア。胸元のジップは大胆に開け、レザーベルトでしっかりとウエストマークすることで、女性らしい色香を醸し出すスタイリングに仕上げているのが特徴だ。手元に合わせたレザーグローブとバングルは、エレガントなムードを加速させる。
そんなメンズライクなアイテムとは対照的に、とことんエレガントに仕上げたドレスも目を引く。柔らかくシアーな生地をたっぷりと使用したフルレングスのドレスは、モデルの歩みに合わせてひらひらとなびき、コレクションに軽やかな風を吹き込んだ。
カラーパレットは、オリーブ、マロン、サンド、チョークといったアースカラーで構成。素材は、リネンやコットン素材といったナチュラルなムードを演出するものをベースとしながら、サテンやシアー素材など柔らかく上品な素材をプラスした。
コレクションに彩りを添えるアクセサリーは、シャープな印象のものばかり。足元には彫刻的なヒールを合わせたポインテッドトゥのハイヒール、顔周りにはボリューミーなイヤリングやチョーカーを合わせた。