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“『新青年』の挿絵画家”松野一夫の展覧会が北九州市立美術館 分館で、挿絵原画やパリ滞在期の作品を紹介

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企画展「没後50年 松野一夫展」が、福岡の北九州市立美術館 分館にて、2023年9月16日(土)から11月12日(日)まで開催される。

松野一夫、挿絵原画をはじめ多彩な仕事を紹介

松野一夫 「影の秘密」(モーリス・ルナアル/アルベール・ジャン) 挿絵原画
(『新青年』第12巻第3号) 紙に墨、インク 1931年 個人蔵
©Nagako Iwai 2023/JAA2300086
松野一夫 「影の秘密」(モーリス・ルナアル/アルベール・ジャン) 挿絵原画
(『新青年』第12巻第3号) 紙に墨、インク 1931年 個人蔵
©Nagako Iwai 2023/JAA2300086

松野一夫(まつの かずお)は、雑誌『新青年』の表紙絵を長年にわたって担当するとともに、江戸川乱歩らによる連載小説の挿絵を数多く手がけ、「『新青年』の挿絵画家」として知られている。

1985年(明治28年)福岡・小倉に生まれた松野は、上京後、洋画家の安田稔のもとで絵を学び、1921年(大正10年)、帝展に初入選。しかし、前年より『新青年』で挿絵を描き始めていた松野は、挿絵画家として成功するようになり、次第に洋画壇からは距離を置くようになった。また、1931年(昭和6年)には渡仏し、約1年にわたって、パリを中心にヨーロッパ各地を訪れている。

松野一夫 「何者」(江戸川乱歩) 第28回 挿絵原画
(『時事新報』夕刊 1929年11月27日~12月29日 全28回) 紙に墨、インク 1929年 弥生美術館蔵
©Nagako Iwai 2023/JAA2300086
松野一夫 「何者」(江戸川乱歩) 第28回 挿絵原画
(『時事新報』夕刊 1929年11月27日~12月29日 全28回) 紙に墨、インク 1929年 弥生美術館蔵
©Nagako Iwai 2023/JAA2300086

『新青年』において松野は、連載小説の挿絵を担当しつつ、1921年5月号から1948年3月号に至る約27年にわたって、表紙絵をほぼひとりで描いている。松野は、翻訳小説における西洋の人物や風俗の描写に定評があった。また、少女雑誌のファッションページや少女小説、児童雑誌の表紙や小説など、多岐にわたる分野の挿絵で人気を集めている。

企画展「没後50年 松野一夫展」では、『新青年』をはじめ、松野の多彩な仕事を紹介。小栗虫太郎「黒死館殺人事件」や江戸川乱歩「何者」、北條誠「雲の兄妹」などの挿絵原画に加えて、これまであまり紹介されてこなかったパリ滞在期のスケッチや油彩画、晩年に手がけた水墨画などを一堂に集め、松野の画業の全貌に光をあてる。

展覧会概要

北九州市制60周年記念 分館開館20周年記念「没後50年 松野一夫展」
会期:2023年9月16日(土)~11月12日(日) 会期中無休
会場:北九州市立美術館 分館
住所:福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク北九州 5F
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
観覧料:一般 1,300円(1,000円)、高校・大学生 800円(600円)、小・中学生 600円(400円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※障害者手帳(等級1~4級)の提示者および同伴者1名は無料
※北九州市在住の65歳以上は2割減免
※前売券は、ローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケット、e+ほかにて発売

【問い合わせ先】
北九州市立美術館 分館
TEL:093-562-3215

Photos(2枚)

“『新青年』の挿絵画家”松野一夫の展覧会が北九州市立美術館 分館で、挿絵原画やパリ滞在期の作品を紹介|写真1 “『新青年』の挿絵画家”松野一夫の展覧会が北九州市立美術館 分館で、挿絵原画やパリ滞在期の作品を紹介|写真2

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