展覧会「生誕120年 古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ」が、東京の練馬区立美術館にて、2023年11月17日(金)から2024年2月25日(日)まで開催される。
古賀忠雄(こが ただお)は、佐賀に生まれ、練馬に長くアトリエを構えた彫刻家だ。1903年に生まれた古賀は、オーギュスト・ロダンや北村西望(きたむら せいぼう)といった彫刻家の影響を受けつつ、写実のなかに適度なデフォルメを取り入れ、安定した形態を持つ人物や動物の作品を数多く手がけた。その作品は、地元の佐賀、練馬をはじめ、日本各地の公共空間にも設置されている。
展覧会「生誕120年 古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ」は、古賀の作品のうち、「塑造(像)」に着目。木や石を彫り刻む「彫刻」に対して、粘土などを足し引きして形を作る「塑造」の塑像は、作品制作の過程や作家の姿勢に、ほかのジャンルとは異なる点を認めることができる。本展では、《練馬の男》や《練馬の男》、《鮭》など、約30点の塑像を展示するとともに、全国に設置された作品をパネルで紹介する。
塑造は、作家の手で作られた原型ではなく、他者の手を経てブロンズなどに鋳造されたものが完成形とされることが多い。型があれば同型の作品を増やすことができるものの、仕上げの精度や色味など、細かな差異が生まれることがあるばかりでなく、作品が設置される年代や場所により、同型の作品が異なるタイトルを持つ場合もある。本展では、塑造に特徴的な複製性に着目しつつ、《二つの道》や《めばえ(北陸銀行100周年記念文鎮)》など、古賀の作品を紹介する。
公共の場に設置された古賀作品は、日本全国に60点ほど存在する。ところで、日本で公共の場に彫刻が設置されるのは、明治時代以降のこと。公共の場に作品を置くということは、作家個人を超えた意味合いを作品が帯びるということであり、その役割や意味も時代によって変化する。会場では、《現代を見つめる西郷隆盛像》 や、1997年に解体された《闘魂》など、公共の場に置かれた古賀の作品を取り上げつつ、これらの作品の諸相に光をあてる。
展覧会「生誕120年 古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ」
会期:2023年11月17日(金)〜2024年2月25日(日)
会場:練馬区立美術館 2階展示室
住所:東京都練馬区貫井1-36-16
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(1月8日(月・祝)、2月12日(月・休)は開館)、12月29日(金)〜1月3日(水)、1月9日(火)、2月13日(火)
観覧料:無料
※画像の無断転載を禁ずる。
【問い合わせ先】
練馬区立美術館
TEL:03-3577-1821