展覧会「もしも猫展」が、京都文化博物館にて、2023年9月23日(土・祝)から11月12日(日)まで開催される。名古屋市博物館でも開催された巡回展だ。
人間以外の何かを人間になぞらえることを擬人化と呼ぶ。無類の猫好きとして知られる浮世絵師の歌川国芳は、1841年(天保12)頃より猫を擬人化したり、逆に役者を猫にした作品を次々と発表した。「もしも猫展」では、猫の擬人化作品とそれらを描いた歌川国芳を主軸に、江戸時代の擬人化表現の面白さを紹介する。
人々を魅了してやまない猫は、江戸時代においても浮世絵をはじめとする作品の題材として好まれていた。また擬人化の対象として、猫だけでなく、人ならぬものである異類や動物たちも、しばしば風刺画や戯画の中に描かれてきた。
本展では、そうした擬人化して描いた作品と、擬人化の元となったもののイメージを比較することで、擬人化表現の魅力を再発見。さらに、江戸期から明治期にかけての擬人化作品を紹介し、擬人化することでどのような効能が引き出されるのか探ってゆく。
1841年(天保12)、歌川国芳による「猫の百面相」という団扇絵が流行。猫を人のように描くのではなく、実在する歌舞伎役者を猫に見立てて描くという趣向は、これまでにない国芳ならではの新機軸となった。会場では、わざわざ団扇の骨から外し今日にまで大事に保管されてきたのであろう《猫の百面相 忠臣蔵》の展示をはじめ、国芳の観察力や機智に富んだ表現力が詰め込まれた「猫の百面相」流行の様相と展開にも光を当てる。
このほか、1841年(天保12)より国芳が擬人化猫作品を集中的に描き始めた頃の作例や、山東京山作・歌川国芳画の合巻『朧月猫の草紙』刊行による「おこまものがたり」の継承と後世への影響などについて紹介する。
「もしも猫展」
会期:2023年9月23日(土・祝)~11月12日(日)
会場:京都文化博物館 3階・4階展示室
住所:京都府京都市中京区三条高倉
開室時間:10:00~18:00(金曜日は19:30まで)※入室はそれぞれ30分前まで
休館日:月曜日(ただし10月9日(月・祝)は開館)、10月10日(火)
料金:一般 1,600円(1,400円)、大高生 1,000円(800円)、中小生 500円(300円)
※( )内は前売券および20名以上の団体料金
※未就学児は無料(ただし、要保護者同伴)
※学生料金で入場の際は学生証を提示
※障がい者手帳などの提示者および付添者1名まで無料
※上記料金で2階総合展示と3階フィルムシアターも観覧可(ただし催事により有料の場合あり)
※前売券は、 7月23日(日)~9月22日(金)の期間で販売
【問い合わせ先】
京都文化博物館
TEL:075-222-0888