キャリアの話に変わりますが、ファッションの学校に通わず、デザインスキルはどうやって身に着けたのでしょうか?
ファッションの学校で何を勉強するのか、私はあまりよく知りません。人はどうやって服を着て、それはどうやって作られているか知っていればデザインの仕事はできると思います。それからどんな生地が、どんな形の服に合うかとか。学校に行かなくても、経験だけで十分です。
アートスクールで勉強したあと、ファッションの道に進んだ理由について教えてください。
シャネル(CHANEL)でカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の右腕として活躍していた、ジル・デュフールに出会ったことがきっかけです。私がすごくユニークな恰好をしていたから、目を掛けてくれたのだと思います。彼が私のドローイングを気に入ってくれたことがきっかけで、シャネルでインターンを始めることになり、そこで1年半ぐらい働きました。
その後ジル・デュフールがバルマン(BALMAIN)のクリエイティブ・ディレクターになることが決まって、私も彼について行き、そこで7年間経験を積みました。ジル・デュフールに出会うまでファッション業界に入ることは、一度も考えたことがありませんでした。
ジル・デュフールからどんな事を学びましたか?
彼は色使いについて、多くのことを私に教えてくれました。それから素材の選び方。彼は生地について、本当にいろんな事を知っている人なので。
でも私は、彼の全てを学んだわけではありません。ジル・デュフールはシャネルで20年以上経験を持つ人ですし……。でもシャネルはファッションを学ぶのに、ベストな“学校”ですね。プロフェッショナルで、とてもクリエイティブな場所。
もしジル・デュフールに出会わなかったら、今頃何をしていたと思いますか?
私は主婦になりたかったの(笑)!働くことは退屈で大変だから、家で子供たちと過ごしている方がいいかなと思っていたんです。
本型のクラッチもそうですが、刺繍が得意なのは、ご自身の家庭的な面が現れているのですね。
そうね、お裁縫とか主婦らしい仕事が好きみたいです。
裁縫はどこで学んだんですか?
祖母が私に裁縫を教えてくるので、毎週のように彼女の家に遊びに行っていました。小さいクッションやバッグを作ったり、編み物をしたりしましたね。
オランピアさんの幼少時代について教えてください。
すごくおとなしくて、いい子でした。でもその後、何かが起こったのですね(笑)!今は全然シャイではないし、グッド・ガールではなくなりました。たぶんティーンになってから変わったんだと思います。
イラストレーターの父、ピエール・ル・タン(Pierre Le-Tan)からはどんな影響を受けたのでしょうか?
父の持つセンスからは確実に影響を受けています。小さい頃、父には、スキーや海ではなく、いつもミュージアムなどに連れて行かれました。
当時はとてもつまらなく感じて、他の子どもたちのように海やスキーに行きたいと思っていたけど、今は父がそうしてくれたことを幸せに感じています。
イギリス人のお母様は、どんな方ですか?
母は主婦ですが、ちょっと変わった人ですよ。彼女は型にはまったタイプの人ではなく、イギリス人らしくて、クレイジーで楽しい人ですね。