グッチ(GUCCI)の2024年リゾートコレクションが発表された。
2022年末にクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが退任してから3回目のショーとなった今季のグッチ。今シーズンは、様々なバックグラウンドを持つデザイナーや職人たちがチームを組み、それぞれの個性や文化的な視線を通して、グッチのコードを再講釈。100年以上かけてグッチが作り上げてきた精神やアイデアを、異なるドレスコードや文化を混ざり合わせることでアップデートした。
ショーの舞台となるのは、韓国・ソウルで14世紀に建設された景福宮(キョンボックン)。王宮の重要な儀式が執り行われてきた中庭にて、初めてファッションショーが開催された。
1990年代は、ストリートのスタイルが流行し始め、自由で多様な着こなしが増えていった時代。そんな時代のストリートファッションと、上品でラグジュアリーな要素を掛け合わせている。スポーティでカジュアルなアイテムに、フォーマルウェアの素材や技巧を用いて、ウェアとルックのハイブリッド化の実現を目指した。
たとえば、ランウェイで優雅に舞うピンクのシフォンワンピースは、韓国・漢江にてマリンスポーツを楽しむ人々をイメージしたブラックのウェットスーツと組み合わせている。中には、マリンスポーツを想起させるウェアを強調するべく、サーフボードを抱えたモデルも登場した。
ハイブリッド化は、デザインの脱構築へと繋がる。それは、自由にその姿を変えるウェアの数々から読み取ることが可能だ。丈を伸ばすことでコートになったバイカージャケット、イブニングスカートに形を変えたボンバージャケット、アクセサリーとしても着用できる取り外し可能な“GGモチーフ”のスリーブが例に挙げられる。
彫刻的なAラインのシルエットのコートや、多様な形に姿を変えたスタイルには、韓国の伝統衣装から着想を得たデザインを採用。レッドやブルー、ホワイトといったカラーのリボンを正面に配し、会場となったソウルから発信されるストリートファッションに、エレガントな雰囲気を纏わせた。
またバッグは、グッチを象徴するホースビット付きのスリムなレザーチェーンバッグがラインナップ。アーカイブから引用されたミニマルなバッグには、カラフルなスキューバダイビングのマテリアルや碇などのチャームを施した。
さらに、シューズにもスキューバダイビングモチーフが落とし込まれている。オレンジやブラックカラーに彩られたスキューバブーツやミュールは、そのまま海に出かけられそうなウォーターシューズとなっている。