アフリカン・アペイロン(AFRlQAN APElRON)が、2014年3月22日(土)に東京・渋谷で、2014-15年秋冬コレクションを発表した。
イギリス生まれのクリスタベル・ゲッティ(CRYSTABEL GETTY)の、3度目となるコレクション。ブランド名からも分かる通り、母親がガーナ出身であることから自身のルーツであるアフリカンテイストを強く打ち出しているブランドだ。今回は「ブランドをもっとインターナショナルにしたい」という彼女の想いから、東京で発表することを決めたという。アジアで披露するのも初めてだ。
今季は「ロマンチシズム」をテーマに、色鮮やかで生命力に満ち溢れた服の数々を披露する。最近ガーナを訪れたというクリスタベルは、土地、海、そして広大な緑地の3つの風景にインスパイアされた。荒々しさと落ち着きをもつ海のブルー、赤い砂と太陽の光を表現したレッド、人の手で作ることのできない永遠の自然を思わせるグリーン……。そういったエネルギッシュな色合いは、不揃いなドット柄や横縞などガーナの伝統的な模様でドレスを彩る。
伝統的とはいうものの、一着一着はウェアラブルである。全体はクロップド丈のトップスに、リラクシングなパンツやスカートを合わせたスタイルや、オールインワンといったリゾート風の着こなしが中心。その中でも、白ブラウスにミドル丈のワイドパンツをコーディネートして少しスマートな印象を見せたり、ドレスの裾を絞ってユニークなバルーンシルエットにしたりと、コレクションは決して単調ではない。またバックスタイルだけ丈の長いアイテムは最近よく見かけるが、彼女がデザインしたミニのワンピースは足首まで後ろの裾が長いところが新鮮だった。
そしてカラフルなビーズは、コレクションの鍵。インドのサリに影響を受けたというレッドやクリアの大ぶりのビーズの装飾は、背中や胸元、袖やスカートと随所に取り入れられ、ワードローブを華やかに仕上げる。その他にも使用した生地は全て100%コットンに、デザイナー自身でろうけつ染めを行なっているなど素材へのこだわりも感じさせた。
無理にモダナイズさせることなく、デザイナーのルーツやその国の伝統を自由に現代の服に落とし込んだコレクション。今後の活動の場について尋ねると、「次回も東京で必ずやるわ」と来シーズンも参加予定であることを話していた。