ローブス&コンフェクションズ オム(robes&confections HOMME)は、2023-24年秋冬コレクションを発表した。
ブランド設立20周年を迎えた前シーズンを経て、今季のローブス&コンフェクションズ オムが着目したのは「テーラード」。ブランドのコンセプトでもある「テーラード」を改めて見つめるとともに、近年取り組んできたユーティリティ・コンフォート・イージーケアといった実用的な側面も備えたウェアを追求する。
注目したいのは、テーラードウェアの凛とした佇まいはそのままに、ニット素材を用いることで心地良さや軽快さもプラスしたピースだ。ツイルのようにパリッとした表情ながら、ストレッチ性にも優れたニットジャカードのセットアップは、ニット素材ならではのソフトで軽い着心地に。きめ細やかなカシミヤブレンドのウールビーバーを採用したテーラードジャケットには、ケーブル編みニットの袖をあしらうことでカジュアルなエッセンスを加えた。
さらに、肌触りの良いウールとコットンのダブルフェイスニットで仕立てたロングコートやジャケットは、肩をドロップさせた緩やかな仕立てによって、素材のふっくらとしたボリューム感を際立たせている。また、一見するとコーデュロイのように見えるセットアップも、実はニットジャージーを用いたピース。編地でコーデュロイの畝や質感を表現しつつ、しなやかな伸縮性による、快適な着心地を実現させている。
一方で、重厚感のある素材を用いたオーセンティックなテーラードウェアも登場している。ダブルのジャケットやセンタープレスを施したパンツには、ウールのマットな質感と、立体感をもたらすハリを兼ね備えた二重織ダブルフェイスギャバジンを採用。また、チェスターコートには、上質な「スーパー100's」のウールビーバーが用いられている。スーツに合わせるシャツは、光沢感を備えたシーアイランドコットンで仕立てた。
こうしたクラシカルなセットアップには、クリーム色、ペールピンクといった明るく軽やかなカラーをのせてフレッシュな印象を加えている。特に、従来のコレクションで登場していたホワイトを用いる代わりに、温かみのあるクリーム色が採用されたことで、どこかコレクション全体の雰囲気が和らぎ、リラクシングなムードになっているのが印象的だ。
また、コンフォートさをもたらす緩やかなシルエットも特徴的。空気を含むような立体感の、コーデュラナイロンのパーカや、流れるようなドレープを描くワイドパンツがその好例だ。英国発エンパイア・ミルズのウール地を使用し、金ボタンをあしらって仕上げたシャツブルゾンや、襟を大きく仕立てたウールコートもまた、緩やかさと上品さを兼ね備えた佇まいを見せている。