アンディサイデッド((un)decided)の2023年秋冬コレクションが東京・渋谷パルコ10階 ルーフトップパークにて、セヴシグ(SEVESKIG)と合同で発表された。
2023年に新たに誕生したウィメンズライン・アンディサイデッド初開催のランウェイテーマは「iteration」。加速する資本主義社会により人類の破滅を予言するネイティブ・アメリカンのホピ族と、技術進歩により現実世界が夢に飲み込まれていくアニメーション映画『パプリカ(PAPRIKA)』の“テクノロジーによって崩壊する2つの世界”に着想したコレクションを展開する。
目を惹くのは、今季の“二つの世界”をクロスオーバーさせたようなルックの数々だ。その好例となるのは、鮮やかなパープルのジャケットを纏ったモデルのルック。伝統的なモチーフ刺繍を配したポンチョスカートには、ホピ族にとって神聖な“トウモロコシ”の保存袋をイメージして開発されたオリジナル生地を使用。対する紫のトップスは、AIに「Fourth World(第4の世界)」など終末思想のワードを入力し、作成したグラフィックを採用した。伝統×最新技術を掛け合わせながら、絶妙なバランス感覚で両者をまとめ上げているのが面白い。
また、ネルチェックシャツやジーンズなど“アメカジファッション”を代表するアイテムが多数用いられているのも印象的だ。中には、ネルチェックシャツのワンピースを着たモデルとともに、終末世界の扉を閉めることができるとされる動物“コヨーテ”を想起させるウルフドッグがランウェイに登場するシーンも。今季らしい演出で、一際ショーを盛り上げていた。
さらにランウェイには、映画『パプリカ』とコラボレーションしたウェアも登場。ダウンベストには、背面に主人公・パプリカを大胆にプリントしているのが特徴だ。加えてホピ族の精霊カチーナの衣服にインスパイアされた、フリンジ付きの伝統柄ショールを纏い、ホピ族と『パプリカ』の世界観をミックスしている。