エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)の2023年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。
デザイナーのジョルジオ・アルマーニは、かつてアルマーニのアイコニックなアイテムである「アンコンストラクトジャケット」誕生の経緯を「着る人の個性を際立たせ、一人ひとりの身体にフィットするものはないかと思ったあげく、ジャケットの“構造”をすべて解体しようと決めた」と語った。
今季のエンポリオ アルマーニは、エリザベス朝時代の劇場で上演された劇中の人物の衣装のように、一貫してキャラクターではなく“人物”を引き立てる服を提案。“笑みが溢れる日々”をテーマに、メゾン設立時から一貫してきた日常における服のデザインにおける信念を、都会的なエッセンスとユーモアを交えて表現した。
散見されたのは、マスキュリンでどこかユーモアを含んだテーラードスタイル。スモールハットをかぶり、にこやかに闊歩する女性たちは、ボタンがアシンメトリーに配されたジャケットや、グログランのストラップ付きのイブニングトップなどのひねりを加えたトラッドアイテムをスタイリング。まるで喜劇のステージ衣装を思わせるようなピースの数々は、今季のコレクションのスピリットを強く体現しているように感じられる。
シルエットは、いずれもすっきりと軽やかだ。たとえばウエストをしなやかシェイプさせたテーラードジャケットには、軽やかで落ち感のあるパンツやショーツをコーディネート。また、煌めくスパンコールのドレスはショート丈で軽快なムードに仕上げた。
モヘア、キャンバス、ベルベットといった表情豊かな素材を用いた表現は、直線的なカットやパターンによるテーラードスタイルに、柔らかな質感をプラス。男性的な厳格さと女性的なしなやかさを併せ持った、エンポリオ アルマーニならではのマスキュリンな表現を可能にしている。
カラーパレットは、洗練されたブラックやグレー、ホワイトといったモノトーンを中心に、マゼンタカラーやパープル、ターコイズといった鮮烈な色彩を散りばめた。