スポーツマックス(SPORTMAX)が2023年秋冬コレクションを発表。
今季のテーマは“余分なものを取り除いて本質的要素をむき出しにすることにより、物事の原点に立ち返る”ことを意味する「BARE」。純粋かつ野性的であると同時に、溢れ出るほどに過剰なマスキュリン / フェミニンな要素を持ち、“絶対的自由としての両性具有”を表現するルックが展開された。
着想源となったのは、ピーター・ヒュージャー、ロバート・メイプルソープ、ナン・ゴールディンといった写真家の作品たち。彼らはいずれも親密さと露出、魅力と退廃、脆弱性と鎧のような強固さといった、“境界線上の美しさ”を陰の中に浮かび上がらせる写真を多くのこしている。コレクションにおける好例は、布をさらりと纏ったかのように野性的でありながら、風に揺れてエレガントな曲線を描き出すドレス。一見相反する要素を共存させることで、ある種の矛盾に満ちた自由な意志を讃えている。
コントラストを与えることで、伝統的なテーラリングも再定義。1940年代の喧騒を彷彿とさせるズートスーツやテディボーイズのパーツを構造的に取り入れた、大胆なショルダーとワイドパンツが散見された。
また、90年代のドレスに見られるような普遍的な魅力を取り入れた、膝丈のストレートスカートも印象的。V字のサスペンダーでベアトップと繋ぎ留められたスタイルや、シアーで透明感のある素材がねじれたり回転したりしながら身体を包み込むドレス、ファーアイテムとのレイヤリングなど、多彩な提案が為された。
カラーパレットは、ニュートラルなスキントーンや、ベージュキャラメル、ジンジャーの色調のブラウン、ベビーピンクなど、優しげな色味が主流。ときおりブラックやパイソンが差し込まれ、コレクション全体を引き締めている。