企画展「小倉遊亀と日本美術院の画家たち展 横山大観、菱田春草、安田靫彦、前田青邨、速水御舟ほか」が、滋賀県立美術館にて、2023年4月29日(土・祝)から6月18日(日)まで開催される。
小倉遊亀(おぐら ゆき)は、理知的な造形に、相反するようなぬくもりが感じられる作品を手がけた日本画家だ。1895年滋賀に生まれた遊亀は、1920年、安田靫彦(やすだ ゆきひこ)に師事し、戦後に自身の作風を確立。2000年に没する最晩年に至るまで、日本美術院の画家と交流しつつ活動した。1932年には女性初の日本美術院同人に推挙され、1980年には文化勲章を受章している。
企画展「小倉遊亀と日本美術院の画家たち展 横山大観、菱田春草、安田靫彦、前田青邨、速水御舟ほか」は、遊亀の代表作を一挙に公開する、滋賀県立美術館では9年ぶりの展覧会。《姉妹(あねいもと)》をはじめ、初期から晩年までの遊亀の作品に加えて、安田靫彦や速水御舟など日本美術院に集った画家による作品も紹介する。
遊亀は、活動初期から人物像を手がけており、院展の主流である歴史画からは距離をおいて、《娘》に代表される現代女性を描いた。デフォルメされた形態を特徴とする遊亀の作品には、対象を客観的に捉える鋭い視線と、造形に対する鋭敏な感覚を見てとることができる一方、温かな心理描写も感じることができる。本展では、《姉妹(あねいもと)》、《径(こみち)》や《舞妓》など、遊亀による人物像を目にすることができる。
また、遊亀は靫彦に入門した当初より、キュビスムに触発されて静物画制作への意欲を示しており、のちに静物画で高く評価されるに至っている。会場では、遊亀が戦後に手がけた静物画にも着目し、《葡萄》などの作品を展示する。
遊亀の活躍の場となったのが、横山大観や下村観山が大正期に再興した日本美術院である。本展では、安田靫彦の《飛鳥の春の額田王》や《卑弥呼》、速水御舟の《菊花図》 など、日本美術院に参加した画家による作品にも光をあてる。
企画展「小倉遊亀と日本美術院の画家たち展 横山大観、菱田春草、安田靫彦、前田青邨、速水御舟ほか」
会期:2023年4月29日(土・祝)〜6月18日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 4月29日(土・祝)〜5月21日(日) / 後期 5月23日(火)〜6月18日(日) ]
会場:滋賀県立美術館 展示室3
住所:滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
開館時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 800円(600円)、小・中学生 600円(450円)、未就学児 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※展示室1・2で同時開催している常設展も観覧可
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の所持者は無料
【問い合わせ先】
滋賀県立美術館
TEL:077-543-2111 (受付時間 8:30~17:15)