1981年、アイルランドの田舎町。大家族の中でひとり静かに暮らす9歳の少女コットは、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを、親戚夫婦のもとで過ごすことに。優しく迎え入れるアイリンに髪をとかしてもらったり、口下手で不器用なショーンと子牛の世話をしたり。2人の温かな愛情をたっぷりと受けたコットは、今まで経験したことのなかった生きる喜びに包まれ、自分自身を解放していく。いつしか本当の家族のようにかけがえのない時間を重ねていた3人だったが、やがて夏が終わりに近づき、コットの帰宅の日も迫っていた...。
映画『コット、はじまりの夏』は、孤独な9歳の少女コットが、親戚夫婦と暮らしたかけがえのないひと夏の日々を描いた物語だ。第72回ベルリン国際映画祭でグランプリを受賞したほか、第95回アカデミー賞 国際長編映画賞にノミネート。監督と脚本は、本作が長編初監督となるコルム・バレードが務める。