法輪寺(ホウリンジ)は、嵐山の中腹に位置する。およそ1300年前の和銅6年(713年)に元明天皇の勅願により行基菩薩が創建したのがはじまりとされている。通称:嵯峨の虚空蔵さん。
清少納言の『枕草子』では、京都の代表的な寺院として挙げられ、本尊のご利益は『今昔物語』にも描かれている。
嵐山の大堰川に架かる渡月橋は、法輪寺の道昌が川を修築した折に掛けたのが始まりとされ、江戸時代までは法輪寺橋と呼ばれていた。その渡月橋から嵐山を望むと、山の中腹に法輪寺の多宝塔を見ることができる。
また、法輪寺の山門をくぐり、石段を上がって行くと、途中に電気・電波を守護する鎮守の社『電電宮』がまつられている。さらに石段を登ると、正面に本堂。その左手には多宝塔があり、右手には舞台と呼ばれる見晴台がある。この見晴台からは、渡月橋をはじめ嵯峨野を一望できる。
本殿右の寺務所に収められているご本尊、虚空蔵(こくうぞう)は、その名にある虚空すなわち大空(宇宙)を意味するもの。日月、星をはじめ一切の山川、土地、草木などあらゆる森羅万象、生物をことごとく包容し、余すところないように納めるという意図から、世間でいう大きな宝蔵に多くの財宝を収める存在であるとされている。また、虚空蔵菩薩は広大分限の大空の徳性を総合する霊位であり、人間をはじめ動植物の育成から一切の物資の生産に至るまでを守護する存在でもある。
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