デメル(DEMEL)はオーストリア・ウィーンの高級チョコレートブランド。
1786年に創業した「デメル」は、ルートヴィッヒが、王宮劇場の舞台側入り口の前に、ロココ様式の店を開いたのが始まり。彼は、当時貴重な砂糖を使ったお菓子を皇帝やその家族、王侯貴族らのために作る「ツッカーベッカー」と呼ばれる菓子職人の一人であった。
そして1799年、初代ルートヴィッヒが亡くなった年に店はウィーン王宮御用達菓子司となり、その後、王宮劇場に寄り添うように時代を刻んできた。ちなみに、店と劇場は地下道でつながっており、劇場での催し物があるたびに、この地下道を使ってお菓子を運んでいたという。
初代の息子、アウグストは政界入りを決意。次代の役割を店の職人長、クリストフ・デメルに譲る。
1867年、クリストフが亡くなると息子のヨーゼフとカールが店を継ぎ、店名も「クリストフ・デメルの息子たち」と改めました。この店名が今も受け継がれている。
1888年、店舗も王宮劇場の移転に伴い、現在の場所である王宮そばのコールマルクト14番地に引越し。
なお、「デメル」の歴史はまさにウィーンの歴史、ハプスブルク家の歴史とともにあったこともあり、オーストリア皇帝として長きにわたりヨーロッパに君臨したハプスブルク家の紋章を今もブランドマークとして使用している。